終わりの始まり/AquArium
 
やっと差し込んだ淡い光
入りこむ小さな隙間が
少しずつ確実に塞がれていく

引き戻そうとする悪魔を
今回ばかりは操作できないよ
嵐は誰にも止められないように



――薄暗い部屋のオレンジのライト
反射したシルバーのネイルも
君の目に映るための小さな演出



シャンディガフを一口
ツンと甘い喉の奥が言葉を飲み込んでしまう炭酸のいたずら――



不気味に笑う遠くの悪魔は
今宵の僕を知ることはない
もう振り切れる準備はできている

凍みる風も震えた大学の裏道も
かじかむ指先でさえこのまま
永遠になれと願えたんだ



――心地よい気だるさに包まれた3軒目のBAR
車も通らない深い夜の出来事で
見つめる先はただ君の手



溶け込んだ煙草の苦さとアルコールが身体を包む時
シルバーのネイルが光る前の「最初から気づいていました」――



夜明けが近づく
届けと目を瞑って夢の中へ
悪魔は俯いて消えた
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