読書ノート/ああああ
ぼくの友人K君は隔週水曜日の資源ゴミの日に古本古雑誌の束を拾ってくるのが得意な男で、切り貼りしてノートにコレクションしている。しかし、K君は活字を読むことには興味がないみたいだ、ぼくは思う。刻まれて、ずれたり重なったりかすれたりしてまたくっついて、読めない文字の羅列。
はじめてK君の家に遊びにいった時に、積んであったノートをパラパラめくっていて、大量の漫画のキャラクターが目の部分だけパンチでくりぬかれているページを見てしまい、なんだろう、何気なく石をどかしたら下にハサミムシが思いの外いっぱいいた、みたいな気持ちになったものだ。
ところで、K君が拾った六法全書は、背表紙がかさぶたをはがした
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)