スカイプ連詩「閉鎖病棟」森川茂/フライハイ/within
 
奇数連 森川 茂:偶数連 フライハイ


部屋から見える青空を見て
もう終わりにしたい
と、つぶやく
告白を聞く穏やかな審議官の微笑みは
閉じられた迷宮への通行証

なぜ生きている?
14階から飛び降りようとしたのは昨日の夜
思い出す
失敗して運ばれて、今、この場所にいる
なぜこんな場所に

明る過ぎるし
あまりに白く暖かい部屋
全てが零に戻されたわけではなく
漂着したのは
余りが附された時間軸

ここは狂人たちが押し込められる場所
つまりわたしも発狂したと言うこと
こんなはずじゃなかったのに
わたしは空に羽ばたくはずだった
最後の最後にこんな場所
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