理路/ああああ
 
女の子もつられてケタケタ笑う。仲直りして一緒にお風呂に入った。
 その子が石けんの泡を高く捏ね上げたところで、僕は子どものころ泡が好きだった事を思い出す。今は、皮膚病を連想してしまう。細かく、びっしり、というものは何でもそうで、皮膚病を連想してしまう。
 皮膚病はどうしても触れたら移りそうな気がしてしまう。
 何かを取り消した直後には必ず後悔したような記憶がある。
 もう一緒にいられないとわかったとき、僕はすごく悲しくて泣いてしまったけれど、同時に気持ちよかった。
 人間関係が固まったように安定することはなかなかないもので、洗いざらい無くしたい気持ちは常にある。
 かきむしることで悪化するものが、僕にとってそういう後悔の恐しさの表現なのかもしれないが、とにかく泡を見ていると皮膚病を連想してしまうので、僕はシャワーできれいに流した。
戻る   Point(1)