孤独の戦車/逆鱗社長
 
幾つも重ねた姑息な戦闘
僕らの毎日が戦争で
喉奥に仕込んだ弾道ミサイルは
今か今かと、発射の合図を待つ

いつも人は孤立の戦者
唯一仕込んだ弾道ミサイルで
朝起きた時点で、臨戦体制
まずは、一発目の「おはよう」が発射

街では、今日も沢山のミサイルが飛び交う
「伏せろ」
わざわざ食らう事はない
これから向かう戦場の為に、無駄弾を控え
ミサイルの間を潜り抜ける

戦場に到着
「おはよう」
いきなり射たれた
迷わず応戦
「おはよう」
「この、くそ野郎」は心で射て

会議室での戦争
それが一番危険なんだ
一発のミサイルで、即死だって考えられる
それだけじゃない、不発弾にだって気をつけなくちゃ駄目だ
自分のミサイルで即死だってある
慎重に射って、慎重に射たれて
なんとか今日を生き延びた

「お疲れ様」
射たれた
気が緩んで、不意討ちを食らった
応戦しようにも
残り弾無し
最後の最後で敗北をきした

帰って明日の戦いに備えよう
それまで、しばしの休息を。
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