応援歌/とんぼ
なたが重ねた時間を越えて
まるで生まれた時から傍にいるような色をしている
呼吸の仕方をわたし、あなたに教えてもらった
なんでもない風な、息の飲み込み方
過去を振り返る時は
息をつまらせる時だった
わざと舌先で喉を絞めた
なんなく生きる為に息をする自分が許せなくて
あなたと出会ってからわたし、過去を眺める時に、
そこにある全ての嬉しかったことや優しかったことを全部、
あなたにあげられるようになりたいと思うようになった
その為に私はあなたより少し早く生まれて、
あなたより少したくさん恋をしてきたのだから
そう思ったのに
もらったものが増えるばかりで
あげられた
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