応援歌/とんぼ
 
今日あなたが辛そうな顔をしていた
そんなに頑張らないでとわたしが言っても
あなたは頑張ってしまうし
無理やり休ませても
頑張らなかった自分に、余計辛くなってしまう人なんだろうと思う
あなたは今日も出かけて行った

部屋で1人になるとわたしは
布団の上に、これまであなたにもらったものを並べてみる
泣かずに済んだ夜がいくつあっただろう
川まで走らずに済んだ夜がいくつあっただろう
怖い夢を見た、と声に出せる朝
笑っているだけで終える1日
まっすぐな目、まっすぐな声
熱い額に添えられた冷たい手の気持ちいいこと
あなたにもらったものを数える時
その質料に驚く
わたしとあなた
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