雨はいう/
朧月
降り積もる今日
雨だって重なるのです
水面に映す
顔は/私の
薄くなってゆく
だれかの想いを
雨は吸収しているから
伝えようとするのです
こんな私にも
とんとん窓を叩く
気づいておくれよと
ふと目をやれば
生まれる瞬間の雨
時間刻みながら
私たちの足は
なにもかもを使い切るまで
止まれないのでしょうか
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