ふ/ヨルノテガム
 
雪は降臨してくるので不思議な ふ に埋もれマス

 ふ の横顔
 ふ の物思い
 ふ るさとは しとしとと 人口が消えていると聞きます
 唇の先から洩れるは ふぅ――― と吐息の風船ですね

 ふふ

 ふふふ

 ふふ

 ふふふふ

 笑い声は手を繋ぎはじめます または
 最初の ふ にぶら下がって くっつきたがります
 腐りはじめる「腐」も居たりして。

 最初に横切った ふ は多分 不 だったと思うのですが
 何の存在を打ちけしてしまおうとしているのか
 不明なのです
 それはわかることのないものなのかとも感じるのです
 ふ は 不穏な 危ういバランスを指し示している 秤の様、
 重さのない言葉の普段を
 ぐっと力強く 留め置こうと流れます

 ふ は 心 という字の立ち姿にも思えました


 はて
   さて















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