ふ /ヨルノテガム
きたところでございます
口の中に動物園を営んでいますが
虫歯の穴に落ち込んでいくウッカリ野生動物のことは
内緒なのです
若い女のガッカリとした帰り道にすれ違いますので
それはそれは怖いくらいガッカリして歩いています
深刻な夜に夢は現れなく いつまでも
現れないようでした
雨水は雪になって色んな旅に降り浮かぶ
そんな変幻自在はどこへいったのでしょうか 人間は。
つくづく ふゆの森、
しんしんとした世界に 半分だけ動く毎日の景観は
ただ流れ それを確認して過ぎるばかりです ました
沢山の美しいものの仮面が剥がれ落ち
足あとのように消えて失くなる
つきあたり 美と対峙するとき
わたしはひとり
思ふ、めぐる
戻る 編 削 Point(3)