あの犬(習作十句)/
古月
仕出し屋の裏でぎやんぎやんと何が啼く
夕暮れをぬるりと翳す魚影かな
野良犬と飼い犬と死んだ犬とあの犬
白百合を手折る手つきに憧れる
人形に宿れば鬼も可愛かろ
春が来れば私にも腕が生えます
べったりと笑みが貼りつく往きちがい
神無月試してみたき神降ろし
祝福は鏡の中の誕生日
泪一雫分け合う分水嶺
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