* ハブラシ/藤鈴呼
 
けを交わし合った 二人の青年は 
目を閉じた.

僕達の未来は 
誰も 祝福してくれやしないと.

めんどくさい手続きなんて要らないから
そのタオルと歯ブラシは 
捨ててしまわないでと

既に黄色化した飯を
平らげる事も許されず

二人は 向き合って 目を閉じた

僕達のコスモスが 
あの火星に存在するのなら

宇宙船が未完成でも 
すぐに飛び立てるのに

ロケットの軸が 見付からないんだと
騒ぐ

エンジンルームは 水びたしになったと 
騒ぐ

日本で通用しないYesを握り締めて
君は今 宇宙へこの身を 削りに行く.

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