雨と情と報い/洋輔
 


何もかもが0と1に置換されていく
ああ、言葉はまるでその体温を失い
意味だけがそこに取り残されるだろう
“何も覚えることはない”“何も忘れることはない”

僕にもシリアルナンバーがつけられていた
存在の意義が揺らぎかけてる
子供たちには生まれたときから焼きつけられるだろう
“そして子供は耳を塞ぐ”“そして子供は目を閉じた”

いつしか……時間が染みついてしまった
あの日のカラスはずぶ濡れになりながら何を思っていたのだろうか
あのカラスは僕よりもずっと賢い、僕よりもずっと

僕の鼓動はおまえのために打たれなくなってから
僕の唄は行き場をなくしてさまよっている
僕ののどは渇き、その声はまるで絞り出されるよう・・・









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