マス/番田 
 
並べながら どこに行くのだろう
安全といったものは いつも 約束されている気がした


今日も名の知れないバーに立ち寄って
食べたことのない野菜や肉の類を腹に詰め込む


拘束のない 世界の中で
夢を見ていたのは 一体誰だったのだろう
未来とは 何だったのだろうと 考える


焼けこげたような 公園の中で
破り捨てられた 菓子パンの袋が転がる
うぐいすパンの味を思い出しながら


二度と戻ることのない 渡航地のことを思い出す
湖に見つめる 波紋の中に 見たことのない 海草を見た



川魚が間近で何度も跳ねる
帰る金を無くした チケットの半券を握りしめる
イスタンブールから どうやって イタリアに戻るのか


深夜の波止場に立っていれば 案内人がやってくるから
そいつと交渉しろと 通りすがりのブラジル人に言われたばかりだ



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