生まれたての詩人たちへ/ホロウ・シカエルボク
ている血管をひとつの直線的なパイプにして
その先端から吐き出される血液の飛距離なのだと
あるがままのなにかを語ろうとするなら魂を射出するための銃口にならなければならない
少しでも曲がると暴発してしまうのだ
ぶるぶると放たれるのを待っている言語
弾丸と呼んでしまうにはナイーブに過ぎて…
それは直情的だとか直線的ということではない
まっすぐな軌跡にはまっすぐなことしか語ることは出来ない
撃ち出された魂は勝手に軌道を変えてゆくから、考えるのは撃ち出すまでのことだけでいい
グリップの持ち方次第で射出速度だって変化する
ゆっくりと撃ちこんでゆっくりと効いてくる、そんな弾だってある
あらゆる激情が口径の広さを表現するわけじゃない
そう、それは針のように動脈にたどりつく場合だってあるのだ
ただ叫ぶだけを考えるなよ、生まれたての詩人ども
音も立てず石を置くように熱を放つ
そんな叫びだって
遠くまで届くのだ
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