ハキリアリにおもう/石川敬大
 


 徒労ともみえる営みに
 福山ではなくて
 ぼくの思考が滞ってしまう
 ぼくは巣穴にとらえられてしまう
 偉大なる農業者である蟻ハキリアリの
 運ぶという営みに
 呼応する
 共鳴し共振する
 あれは、ぼくだとおもう


 雨季がきて雨季がさり
 乾季がやってくる


 車ではなく草が発火する大自然がある
 太陽を全身に浴びて横たわる日は
 ハキリアリに
 やすらかな時が
 まっているのだろうか





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