バー/番田
女すらいない盛り場で
意味もなく 黙りこくる
君は 誰だろう
何をしているのだろう
こんな 枯れ果てたような 街で
誰かに 何かを 言うわけでもなく
時だけが 流れていくようだった
笑顔の中で
私は 夢を見ていた
人生みたいに 思えた
風の中のように
その中を 流れた
風みたいに 私は
消えていくみたいに 思えた
見えなくなっていく
見えているものばかりだが
見えなくなっていくものがある
その中で 見えているものに
音の響きがあるような気がした
*
活火山が 噴火している
時が 波打っている
時が 秒針を 回し
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