誰も/haniwa
いないよ
誰もいない
警察手帳を見せたって
撃鉄の光で脅したって
きみを抱きしめてくれる人なんて
世界中どこ探したっていやしない
いないよ
誰もいない
いくら叫んだって
針みたいな雨がたたきつける中でずぶ濡れになって立ち止まったって
きみのために立ち止まってくれる人なんていやしない
みんな傘をしっかりと持って通り過ぎていくだけだ
飛沫を立てながら轟音を鳴らして通り過ぎていくだけだ
きみみたいなヒッチハイカーなんて
物好きなネクロフィリアだって乗せはしない
いないよ
誰もいない
夏の階段でうずくまってたきみを
ずっと見つめてくれた人がいたのはもう過去のこと
踏み
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