ボンヌ図法としての僕/nonya
 

北東の隅にある茶色いシミは
無鉄砲で幼いエネルギーが
やるせなくせり上げた僕の山脈

山肌に滲んだ汗と涙は
入り組んだ等高線に弄ばれながら
諦めに良く似た水色の帯となり
やがて緩やかに蛇行する

未練がましい尾根が終わる辺り
退屈な緑色に塗り潰されているのは
いかにも品行方正な僕の平野

点在する気紛れな起伏は
道標のない道路をへし折り
停車場のない鉄道を迂回させて
それでも穏やかに緑色のまま

南東の黄ばんだ余白と
気取った海岸線の間に閉じ込められた
青いグラデーションは僕の海

何処まで広がっているのか
確か
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