出勤/朧月
 
大丈夫かなあ
そうつぶやく君に
根拠なく言う 大丈夫だよ

心でつなぐ手の二人は
裸で歩いていた冬の光りの中を

反対側のホームの手前で
そっと切り離す私の
カラダから抜け出させたカラダを
君に巻きつけて行かせたい

私たちの行く先は
春であってもまだまだ寒い
君の言葉を反芻しながら歩く駅


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