コーラップ/番田
風のない日に立ちつくしている
言葉を誰かの心で手に入れたような気になって
落ちていく彩りの 眠りに
私は誰だろうと思い浮かべる
人でも誰でもないままに
そこで 夢を見ているのかもしれない
橋の上を渡る
車の脇を 通り抜ける
草花を 手に入れる
手にしたものを そこで 捨てる
それは何故だろう
赤や黄色や緑を
瞼の内側に捉える
ぼんやりと
絵筆で 布の上をなぞるように
私は それを 見ていた
*
自転車の上にまたがりながら
麦わら帽子に花を差すように
少しばかりのときめいた気分が
私には楽しげな気がする
何もない夜に コー
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