通り雨/洋輔
通り雨に濡れたふたり今同じ
痛み疲れ感じて寄り添い歩く
とめどなく流れる人波の中に
つながりを求めた君は乾いていた
“寂しいからずっと離れないでいてね”
うつむく君の肩がそっとふるえてた
無関心を装った街角では
煩雑さがそばで孤独を生むだろう
さぁその瞳をあけて
止まってしまったすべての時間を
流れにゆだねるんだ
愛するということを
忘れてしまった
君の涙を通り雨が
ぬぐってくれただろうか
降りしきる雨が嘘のように辺りは
白く輝き映し出したまぼろし
君の黒く美しき髪が
肌に張り付き引き戻されたリアル
さぁその顔を上げて
美しい
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