トム/番田
憂うつも何にも無いのなら
目を閉じればいい その中で
いつもその中で
白い骨の 念仏を 唱えればいい
目の中で 流れる夢を 見ればいい
人の中で 煮え立つものを 体の中に 捉えればいい
頭の中に 無いものとして
アメリカからやってきた人が ホテル暮らしで
東京近郊の街をうろついている
言葉をなくして
涙目の中に見たのは故郷の景色
そこに暮らす人たちの歌
そんなものだろう
そうではないとしたら 何をすればいい
緑の中で
つぶれた 百貨店の前で
私はそこで 何をすればいいのだろう
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