烏賊は少女じゃない/ayano
 
、とうとう本気で欲情してきたのであった。手足が細く、白い。なんとなく変色していることには気づいていたけれど、どうせ独り身の自分が後々ひとりで食べるなら、不味くても構わないと思った。この高ぶりを伝える術が無いという状況下で、ベッドに押し付けた烏賊の首を思い切り絞めた。きゅうと音がした。死んでいるはずのコイツは鳴いたのだ。ぐぐぐぐぐ。ベッド色に染まるようにコイツの体が色を変えるのにさらに興奮を覚えた。両手を首から外し、次は開かない目を無理やり開いた。大きな眼球を持ち合わせているくせに目を開かないのはとても勿体無い。そう思った俺は瞼の部分を引きちぎって使えない眼球を外の世界に晒した。くりくりの目に、見え
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