目覚め/ゆえづ
 
沈思する冬空に訊ねる
くろぐろとした予感がけぶるぬるみの中で
厳かな一つの意志らしき影
それは確信めいて
はっきりとこちらを見つめている
分厚い霧層に
初めて私が出会うとき

快活にうごめきながら
今まさに
地表から這い出ようとしている彼の名を

木枯らしにちいさな寝息を聞いたが
てにしたときすべてはきえ
長い眠りから覚めた私の世界に
名は無い

戻る   Point(4)