アジャセのしるし/殿岡秀秋
インドのビンバシャラ王は王妃イダイケとの間に子がほしくてうらなってもらった。すると仙人が死んだあと子として生まれ変わるといわれる。仙人にきくと、あと三年で死ぬからそれまで待ってくれといわれる。王は三年も待てないとおもって、仙人を部下に命じて殺してしまう。仙人は子となって王を殺してやるといいながら死ぬ。イダイケは妊娠する。王は予言をおそれる。イダイケも不幸をおそれて高楼から生みおとす。ところが子は左手の小指を折っただけで助かる。それからは両親が子を慈しんで育てる。子はアジャセと名づけられる。長じたアジャセに釈迦を妬むダイバダッタが近づいて、出生の秘密を知らせる。怒ったアジャセはビンバシャラ王を幽閉し
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