戦争だって、にんげんだ/真島正人
 
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けだものばかりではないのだ

けだものにもけだものの
規則というものがあるので
卑下することはできないが
それでも少年には疑問だった

戦争は
どこにあるのだろうか。

本をたくさん読み
股間で気持ちよくなることを覚え
夜にはテントの中に隠れることを学んできたけど

どうにも不安で
仕方がないのだ

コーンフレークに
牛乳をかけて
口にはこぶ時
銀色のスプーンについている
悲しみがないかどうかを手探りで探り当ててしまう

どこか違う記憶に
隠されていた涙が
どうにかして助けを借りて
這い出したいと思っていることと、

本筋
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