存在/洋輔
毎日違う風が吹くこの場所で
僕たちはすべてのことをやりつくそうとする
だがいつも吹く風の違いを知らないままでは
どんな努力もすべては無に帰すだろう
すべてのことを知ろうとするその態度で
僕たちはここまで歩いてきた
だがいまあるものの不変を信じたままでは
どんな進化も僕らの過ちだったんだ
そろそろ気付いてもいい頃だろう?
すべてを捨てなければならない時が来た
失うことは怖い
変わることは怖い
けど
足を踏み出すその先は
奈落の底に続いている
いろんな人が僕のことをいろんなふうにいう
夢のない人だという人もいる
夢多き人だという人もいる
でも
そのどれも
本当の僕じゃない
うまいものは好きだ
まずいものは嫌いだ
嫌いじゃないじゃなく
好きじゃないじゃなく
あやふやなものなんて何もない
ただそれを僕ら知らないだけ
ゆずれないものがある
消えない傷もある
ただ僕は
僕だけが知ってること
他のすべてから守りたい
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