Darkness/洋輔
いつも部屋の明かりは全開にして
心の闇を照らそうとしていた
俺の姿を映してくれるものを好んで
例えば鏡とか特に求めていた
包まれるのが怖くて
包みこむのは好きだった
魅せられるのが嫌いで
魅せることに魅せられていた
TVやゲームや人の声や
音楽を絶やさぬようにしていた
俺の心を消してくれるものを好んで
いつもグレイの濃い霧をまとっていた
さらけ出すのが怖くて
あばき出すのは好きだった
他人(ヒト)の下は嫌いで
他人(ヒト)より上を望んだ
いざとなったら培ってきたフォームなんて
なんの役にも立ちゃしないんだ
最後に残っているのは
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