雲の花びら/朧月
 
雲のおなかが黒かった
端へゆくほどひかって 綺麗で
清らかな線になっていった

含ませた雪とそれ以外のなにかを
雲ももっているのだろう
そのまま生きているのだろう

見上げる私の
ぽかんとあいた口びるの端も
綺麗ならば あなたへ想い届くのにな

遠い春をまってる間
掃き清める庭先のように
心の入り口そっと吹いたら
あたたかな風が花びら
連れてくるといいのにな


戻る   Point(1)