ロイド・シティの冬、アイは/吉岡孝次
 
(1)
コートにくるまって 君と何を 見上げてるの
旧世紀の憧憬(ゆめ)飾っていた摩天楼に降る雪の中で
手に触れるカケラを 街は知らないふり だけど
灯りを消せないひとの計画(ゆめ)が 今夜は静かに胸を打つよ

 あゝ 君と探す一秒がきっと わたしを変えてゆく

真夜中に引き裂かれ 誰一人救えずに
生きてきたけど 迷わない もう君がいる
降り出した雪じゃなく 頬を切る風じゃなく
白い吐息の暖かさ 君に感じていたい 今夜

(2)
凍えた感覚は 時をかけて溶かしてゆく
落ち着き払った君の瞳 切なさを込めて見つめながら
譲れない明日を ひとはものに換えてくけど
いとし
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