最寄駅/
朧月
なかったことにしたい
そう思わなくなったころ
ほどよく塗り替えられた記憶は
薄くはがれおちてまた
空にちかづいた
夕暮れに探すものはなんだろう
とにかくひとりがしんどい
電車の中には
そんな人とひとりになりたい人が
一緒に乗ってる不思議
行く先は違っても降りる駅が同じだれかは
味方のように並んでる
改札は仕分けるように無機質に開き閉まり
さようならも言わずに
左右に別れてゆくから
そっと見送る
明日もまたと
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