鏡の法則/吉岡ペペロ
鏡の法則そんな名前のうすっぺらい本が
たしかに売れていたことがある
幸せだ!とか四六時中言ってろとか
そんなたぐいの内容だったか
鏡とはなんだろう
鏡はなにをうつすのだろう
鏡にぼくがうつっている
ぼくはこころだ
たくさんのこころだ
こころなんてたんなる状態のことだ
だから決めつけないで欲しいと思う
鏡がこの世にうまれていらい
たくさんのこころたちが
その逃げ場所をうしなってしまった
感謝だとか幸せだとか
そんなものにとらわれない自由なこころ
自由なこころたちが
その行き場所をうしなってしまった
それはなんと痛快無比なる仕打ちだろう
それはなんとあざやかな愛しかただろう
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