ラショネルマン・コニュ(識られた世界)/Giton
nnue(ラショネルマン コニュ)
揺籃の有理数なつかしいクロトン(注:前6世紀ピタゴラス教団の所在地)の微睡み
きみの父の柩(ひつぎ)は聖職者の足で踏み蹂られた
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きみがきみの親しい世界に新しい数の次元を付け
加えて行くたびにきみが愛してやまなかったきみ
の父きみの母は情夫の寝床から葬列を見送った
文字も識らない村人たちが柩に涙を注いでいた
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そしてきみが新しい次元を付け加えるたびに無数
の多面体が回転し光束は散乱する有理な領域
はつぎつぎと拡大しぼくらの目は少しずつ開かれ
て行くのだきみの勇気を思い出しながら
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