リバー/番田 
 



流れていく そこで 何かを考えるのだろう
ひとつも 何も 手に持たないまま
微かな記憶を頼りに 私は 歩いていく


夢の中に 私は向かうのだろう
そこは現実のどこだろう
何も 私には わからない


そこで 何も知ろうとは 思わない
目に見えるものの その方向に
私は ひとり 向かうだけだ


風は吹くだろう
人は歩くだろう


夢の中で見えないものを
そこで追うのかもしれない


見ているものを
見ているままに


流れに身を任せて
時計の回る様子を見つめながら


色々なことを
きっと私はそこで


ひとりで 
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