明け方のクオリア/
高梁サトル
保ち
寄り添うことができるのかもしれない
愛というまじわり方を知らずとも
同じ方向へ向かって生きることができる
魚の習性を真似て
昨日の記憶を
まっしろに塗り変える明け方
瞼を開いた瞬間飛び込んでくるセカイに
奴隷のように付き従う前に
抵抗する
よしんばそこに
わたしなりの意味を見つけられたとして
さがから逃れることができない存在の
悪足掻きにしかならないとしても
それでいいと
納得し尽きるまで
彷徨い続ける
この森を
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