シグナル/ゆえづ
それはうたかたのゆめ
やがて聞く
そらをゆわゆわとおよぐ球体に
青ざめた鉄塔が突き刺さる
デジャヴに似た
すべては朝に解けてしまう
憂えたアスファルト上では
砂塵がくるくると舞いあがり
ためいきの隙に眩んだプリズムが
逆光にしゃらしゃらと弾けている
まぶたは開かれて
いたずらな虹色の風に出会うとき
交差点であなたと目が合う
わたし
明滅するあれは
立ちはだかる疑問符の眼球は
問いかけた夜の口であった
世界のしくみはとてもシンプルだ
あれはかたわれのゆめ
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