蜜雪/アラガイs
(ねぇ、いくときは一緒にいこうね。
ひとつになりたいの…)
その日の夜、
、確か黄色い月)がスペードとハートをいったりきたりした。
仄暗い窓を揺らす冷たい風の音に、外気はしっとりと濡れ
残雪を被ったホテルを照らすネオンの薄明かりが、
、その初熱が滴へと変わりはじめるころ
少し離れた温泉街の居酒屋を探し歩いたあとの酔いは、二人のこころをすっかり解きほぐしていた。
入れ違いに大浴場から戻ってきた二人は、飲み残したグラスをそのままにしてゆっくりと抱き合った 。
唇を重ねあう。乾かない熱が蒸気となって
また二人の汗となる
横になった僕は、君の胸を両手で押し上げなが
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