くろっく/ねなぎ
 

真似る事により
交渉していく
企業の形態

精度が
人の感覚を超え
周波数が
人の反射速度を
超えた時に

男の語る話は
私がいつも聞いているような
日常の些細な会話より
離れて聞こえ
そこには現場による重さと
生々しさが付随している

しのぎ
削り
盗み
利用し合い
腹の底を
見せぬよう
引き出し
出し抜く

そして男の語る話は
繰言のように
端々に後悔と自責の分析が
加わり始めると
やがて会社の問題点や
お金の話などの
通俗的な物へと
変化していく
その愚痴には
今の若い労働者への訓告と
非難めいた考え方が
並んで
[次のページ]
戻る   Point(1)