poetarot(女帝のカード)保存版/みつべえ
、あなたは。火焔のなかに、冷たい夜を。さぐっていた、わたしたちは。まさぐり合うばかりで、世界の。終りまで、出会えない。
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何かに追われて。逃げこんだ路地に、ひっそり。耳が生えていた、わたしは。愛を語りたくて、そこで。きのうまでの、自分を。死ぬほど、げえげえ。吐いた。
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こころは。紙よりも、うすい、と。あなたは、言うけれど。わたしは。こころ、よりも。うすい、から。風に、切りきざまれて。無窮へ、とばされる。日も、近い。
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そしてまた、星が巡ってきて。生傷を、ひらく。わたしとは、被虐の総体。ほかの誰でもない、ゆいいつの。夜の演技者、幸福の、絶望の。仮想された、世界の舌のために。寝室を、造花で飾って。どこまでも、避けられない。希望の朝を、色とりどりに。詐称する。
(https://twitter.com/poetarot)
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