poetarot(女帝のカード)保存版/みつべえ
いちど、世界を。取り戻すまで。
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みずうみは、その底に。つめたい鏡を、沈めている。光は、屈折することで正しく。わたしの、脳にとどく。夜が夜であるために、花が花であるために。すべてがすべてであるために、すてたもの。いっさいがっさいを、ひろって。隠者は、塔を建てる。
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あなたのためには。死ねない。花が、凋落するように。うつくしくは、終われない。従順だった、季節の感傷を。日めくりみたいに、破りすて。ただ。過ぎゆく鼓動と、呼吸を。たえるだけの、わたし。だとしても。
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そこ、まだ煮えてない。ちょっと待ちなさい。とりわけてあげるから(あなたは、秩序の総覧者、鍋御前)い
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