彼女いない歴41年/はだいろ
 
を気に入ったにしろ、
こんなに深々と自省している
詩人のぼくなど、
わかりはしないに決まっている。


いままでのぼくなら
これは、違う。の一言で、
黙って納得して、
付き合おうとなんて、しなかったに違いない。
だけど、
だけど、
いま、ぼくは、迷っている。
もしかしたら、
もしかしたら、
大切なのは、受け入れる。ということなのではないだろうか?
ぼくが、
ほんとうに今まで受け入れなかったのは、
現実の、ぼく自身そのものではなかったのか。
あの38歳の人が、
ぼくの隣で、ぼくのたわごとやぼくのわがままを、
怒ったりなだめたりしてくれることで、
ぼくのほんとうの現実は形づくられていいのではないだろうか。


職場からの帰り道、
震える横断歩道で、
ビルの隙間に、
冬の東京タワーがオレンジに輝いている。
ぼくの迷いも星のように瞬く。
彼女いない歴41年。
と、4ヶ月・・・






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