[カントリー・ロード]/東雲 李葉
 
ただいま、が言えなくて帰る家が見つからない
おかえりなさい、がない気がして帰る家が見つからない
何色の電車が運んできたのか
知らない町の知らない道を
歩いて私だけの家へ
おじゃまします、と声をかけた
返事はなかった
ただいま、と発した
薄暗がりに吸い込まれた
自由と孤独は絡まって両手足にまとわりつく
寂しい穴は埋まらず
栓をするのにも飽きた
たわむれに肩を抱き締めると
痛いくらいが心地よかった
へそを探ると微かに鈍痛
つながりはとうに切れていて
さかさまの頃にはもうかえれない
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