なゐ/yumekyo
挨拶をしたこともない隣人と手をとって前に進むことは出来るだろうか
やがて来るときに
それから何年も経った
子供達が一心に手を合わす風景が世界中を駆け巡った
あの日を知らない子供達だった
街では着々と 次の命が芽吹き 美しい花を咲かせていたんだ
心ある大人たちが後に続き
いまだに残る傷跡のあること 凍りついたままの想いがあることを
確認しあって うなずき合った
小さな灯を携えて 再び行かなければならない
何もかも消え去った街に
一切合切を知る者たちが向かう
一歩ずつ 一歩ずつ 願いを込めて 祈りを込めて
止まったままの時がある
針が曲が
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