国境で/真島正人
 



私はもう目覚めていた



そこにはないもので

構成されているので

言葉を通り過ぎることが

できた

得体の知れない勲章を

与えられて

予備役は

甘美だった



わななくような

北斗星が

海に向かって

光り

血は

涙から精製された

もので

いつも震えていた



生まれたときは

夜明けが

怖かった

月明かりに照らされて

帰還し

町全体を

黄色いランプのシェードで覆った

内出血が

いくつも

繰り返されていた

「父」は

汚れては消え

新しい皮膚で現れ

反復を支えた

国境でカラスが鳴いた

私はもう目覚めていた


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