大寒の空/
kawauso
時が流れだした 私の血のにおいと共に
イチイガシの葉は青空を食いやぶり
風が立つたび 多くの空は
形を変えてたゆたっている
葉は葉たちでスクラムを組んで
幹は枝たちからの合図を待つ
長い長い小休止が終わり
短い短い生命の喜びが始まる
夕日のインクがじんわりにじんで
青の下書きに霞んだだいだいが混ざる
白けた空は冷たい夜の顔
落日は樹体を切りさいて
私たちの前に現れる ゆっくりと
動き出した影は君の赤い頬を飲み込めずにいる
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