アンビバレンス/ayano
舐められた爪を切る。指を銜えられて人の喉を触っても、引き抜くことはできなかった。喉仏を裏から触れられるまで長い爪だったらいい。指から出た精液を止めるように爪先をスクエアオフに切り取った。えぐえぐ言いながら太いそれを飲み込み、胸の上の鎖骨の下あたりに種をつけた。孕んだときはそこに飴玉程度の膨らみを携え優しく笑った。首筋よりもその孕んだ子が美味しく感じられ、胸のやわらかさよりも口に含んだ時の食感が心地よかった。まるで共食い。咬爪症のように君を変形させてマニキュアが塗ることができないものにしてしまう。恐ろしく酷似した人物を私は私として認識した。一度も外の世界を見たことがない、もちろん
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