piggy/Oz
 
空洞の破綻
再開の吟味
感傷の拒絶

豚が空を飛ぶ
狼は下から吠えるだけ
その牙は
爪は
届かない

背中に着けた
大きなプロペラ
豚は何処までも飛んでいく
何処までも
何処までも

鳥が
囁く
「不思議な豚ね」
豚が
告げる
「僕は豚じゃないのさ
鳥でもないけれど
つまりは何だっていわれたら、
やっぱり豚なのだけど」

紺色のPコートを着た
20歳くらいの女の子が
川辺で
足を抱えて
ただずんでる

豚は降りたって
訪ねる

「どうしたの?」
「どうもしていないよ。
ただ静かに過ごしていただけ。
心を痛めている訳ではない
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