暗黒のうた/吉岡ペペロ
れはもう暗黒しかないんだという
あきらめるしかないような暗黒いがい
宇宙には存在しないのだ
だから隣人がいとしく思えることなんか
だから隣人がうっとおしく思えることなんか
あたりまえのふつうのことだ
遺伝子をONにして目を閉じていれば
なにが真実で
なにが真実のものまねをしているのかが分かる
みんな宇宙からもらった炭素でできている
みんな炭素の波動にすぎない
わたしは胃をこわしている
わたしは肝臓をこわしている
炭素がなにかの身代わりをしてくれている
炭素はたまにそうやって
わたしの身代わりになってくれている
ありがとう!宇宙!
ありがとう!炭素!
ありがとう!わたしの胃!
がんばれ!わたしの肝臓!
戻る 編 削 Point(10)