『青い鳥』/東雲 李葉
 
何にもなかったぼくに
神様がくれた贈り物。
ページをめくると
月日が冒険に満ちる。
主人公は間違いなくぼくで。
君はぼくの青い鳥。
そう思っていたのに。
夢から覚めたら羽音をたて
君は飛んでく。
青い鳥はもう戻らない。
楽しげな少年のカゴの中。
ぼくにだけ黒く見える。
思い出が酸化して。
夜をいらないぜいたくを。
未来を拒む幼稚さを。
笑いたければ笑うがいい。
朝が来て見慣れた部屋には
羽根の一つも落ちてなかった。
だけど頬を撫でる風
背中からぼくを抱き締める。

「さみしいよ」

青い鳥がいないから。
それだけじゃない気がした。

「ぼくは平気
[次のページ]
戻る   Point(0)